高麗人参とニンジンは違う?

高麗人参とニンジンの植物学的な違い

高麗人参は「人参」という名前が付いているためか、スーパーなどで売られているオレンジ色の野菜である「ニンジン」との違いがぴんと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
そもそも、八百屋さんで売られている野菜のニンジンはセリ科の植物で高麗人参はウドやヤツデなどと同じウコギ科に分類されます。つまり両者は全く別の種類の植物なのです。

高麗人参とニンジンの見た目の特徴について

スーパーなどで手に入る野菜のニンジンはオレンジ色の綺麗な長い円錐形のものが多いですが、高麗人参はややいびつで根が非常に多いという特徴があります。古来より高麗人参は根が多く人の動態に手足が生えているように見えることから「ニンジン」と呼ばれるようになったそうです。そして人の形により似ているものの方が重宝されていたということです。

高麗人参とニンジンは栽培期間に大きな違いがある

野菜のニンジンはミニ種であれば約70~90日、収穫までの期間が比較的長いとされる5寸ニンジンであれば約100~120日で収穫します。収穫が遅れてしまうと大きくなりすぎて根が割裂してしまうので12~13cmほどのものが収穫されています。
暑さや寒さにそこそこ強いため、季節によって適した品種を選べば春に種を蒔いて夏に収穫したり、夏に種を蒔いて秋冬に収穫したりと長期的に楽しむことができます。
そしてニンジンは連作することが可能です。ただしセンチュウの被害が出るようなら植える場所を移動しなくてはなりません。
一方、高麗人参は収穫するまでに4年から6年もかかり、最も良質とされるものは韓国産の6年ものです。高麗人参は長さや太さ、栽培年数などで価格が異なりますが6年目の高麗人参は有効成分であるサポニンの含有量がピークになると言われ最高品質であるとされているのです。それ以上育てようとすると病気になったり、腐敗してしまったりして収穫することは難しいようです。
また、高麗人参の栽培条件は大変厳しいことで知られています。雨が少ない気候で土壌が砂質であり、かつ東北向きの緩やかな傾斜地で“肥料を与えずに”栽培することが必要なのです。よって、天候の変化の激しい日本においては栽培できる地域は限られています。
さらに連作を行うと収穫物が生育不良になってしまうため、一度収穫した後の土は数年間寝かせなくてはいけません。そのため、安定的に高麗人参を栽培・収穫するためには条件を満たした広い農地を確保することが不可欠です。
収穫後の高麗人参は長期保存が可能になるよう乾燥させるなどの加工が行われます。長い期間をかけて幻の生薬と言われるほどの養分を溜めこんだ高麗人参を余すところなく活用するために古からの知恵が施されているのですね。

高麗人参とニンジンの栄養素の違い

ニンジンの主な栄養素はカロチン・ビタミンA・カリウム・食物繊維などです。緑黄色野菜ですので栄養価が非常に高く、価格も安いため健康維持のために日頃から積極的に摂りたいものですがや高麗人参と同様の薬効を期待することはできません。
高麗人参の主な栄養素はビタミン・たんぱく質・アミノ酸・炭水化物・ミネラルとニンジンとは大分異なっています。
そして何より注目すべきなのは、高麗人参の代表的な有効成分であるサポニンという成分です。ジンセノサイドとも呼ばれており、血行促進作用や抗酸化作用、殺菌・抗菌効果、糖質・脂質の代謝促進効果など実に多彩な効能効果が期待されているのです。そのため肩こりや冷え性・むくみ・慢性疲労などの症状を改善、緩和することができます。
「霊薬」「万能薬」「不老長寿の薬」などと呼ばれている高麗人参の神秘的なパワーはこの貴重な栄養素によるものと言えるでしょう。


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